見えない価値が人を動かす:ウェルビーイングと企業文化 お役立ちコラム2025.10.21
はじめに:数字では測れないものが、組織を動かしている
「エンゲージメントスコアは高いのに、なぜか離職が止まらない」
「制度は整っているのに、社員が疲れているように見える」
そんな声を聞くことが増えました。
組織の“見える指標”だけでは捉えきれない、けれど確かに存在する“見えない価値”が、今あらためて注目されています。
そのひとつが「ウェルビーイング」。
そして、それを支える土壌としての「企業文化」です。
ウェルビーイングとは何か?──“心地よさ”の再定義
ウェルビーイング(Well-being)は、心身の健康に加え、「人とのつながり」「自己実現」「社会との関係性」など、より広い意味での“生きやすさ”を指します。
近年では、以下のような視点が企業の中でも取り入れられ始めています。
- 心理的安全性のある職場づくり
- 自律的なキャリア形成の支援
- 多様性と包摂性(DE&I)を尊重する風土
これらはすべて、数値化しにくいけれど、働く人の“実感”に直結する要素です。
企業文化がウェルビーイングを左右する
制度や施策がどれほど整っていても、それを支える「文化」が伴っていなければ、社員の心には届きません。
たとえば:
- 「休んでいい」と言われても、実際には休みにくい空気がある
- 「挑戦を歓迎する」と掲げながら、失敗に対する許容がない
こうした“見えないメッセージ”が、社員の行動や感情に大きく影響します。
つまり、ウェルビーイングは「制度」だけでなく、「文化」とセットで育てる必要があるのです。
実践事例から見える“見えない価値”の力
・ Mグループ
「共創経営」を掲げ、社員・顧客・地域との関係性を重視。
ウェルビーイングを軸にした人事制度改革により、離職率が大幅に改善。
・ S社
研究開発部門で「心理的安全性」を高める取り組みを実施。
失敗や質問を歓迎する文化がイノベーションの土台となる。
・ K社
現場での萎縮を防ぐため、対話型研修を導入。
社員が安心して意見を出せるようになり、業務改善提案が増加。
見えない価値を育てる研修・対話のあり方
私共が研修設計の中で意識しているのは、以下のようなアプローチです。
- ストーリーテリング:価値観や経験を共有し、共感を育む
- 対話の場づくり:正解のない問いに向き合う時間を設ける
- 内省の促進:自分自身の感情や行動を振り返る機会をつくる
これらは一見、非効率に見えるかもしれません。
けれど、こうした“余白”こそが、組織に深い信頼とつながりを生み出す土壌になると感じています。
おわりに:人を動かすのは、目に見えない力
「見えない価値」は、すぐに成果として表れるものではありません。
けれど、あるかないかで、組織の“温度”は大きく変わります。
ウェルビーイングと企業文化。
この2つを丁寧に育てていくことが、これからの人材育成において欠かせない視点だと、私共は考えています。
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