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【なぜ若手は管理職を敬遠するのか?】〜キャリアデザインの視点で「管理職」の価値を再発見する〜 お役立ちコラム2025.02.19

【なぜ若手は管理職を敬遠するのか?】〜キャリアデザインの視点で「管理職」の価値を再発見する〜

近年、企業の現場で「管理職になりたくない」という声を若手社員から耳にすることが増えています。実際、いくつかの調査データによると、若手社員の6割以上が「管理職にはなりたくない」と回答しているという結果も出ています。この傾向は、日本国内に限らず、世界的にも広がりつつある現象です。なぜ、今の若者は管理職に対して消極的なのでしょうか? そして、その現状を打開するために企業は何をすべきなのでしょうか?
本コラムでは、管理職を敬遠する若者の心理をひも解き、キャリアデザインの視点から管理職の新たな価値を考えます。さらに、若者が「管理職」という選択肢を前向きに捉え直すために企業が取り組むべきアクションについても提案します。

この記事でわかること

  • 管理職を敬遠する若者が増えている現状とその理由
  • キャリアデザインの重要性と管理職の新たな価値
  • 管理職を「成長の機会」として捉える視点
  • 若者が管理職を前向きに考えるために企業ができる具体的なアクション

1.若者が管理職を敬遠する理由

まず、管理職への昇進に消極的な理由として、次の4つが挙げられます。

① 責任の重さと心理的負担

管理職になれば、チームの成果に対して責任を負う立場となります。この「責任の重さ」を過度にプレッシャーとして感じる若手が少なくありません。特に近年、失敗を過度に恐れる傾向が強まっていることが背景にあります。

② 部下育成や人間関係の難しさ

「後輩や部下を育てる自信がない」「職場の人間関係の調整が難しそう」といった声も多く聞かれます。これまで個人の業務遂行に集中していた若手にとって、他者の成長を促進する役割は未知の領域で、不安を感じます。

③ 報酬や評価への疑問

「責任が増えても給与が大きく変わらない」「管理職になっても昇給幅が小さい」という実情が、管理職へのモチベーションを下げる要因になっています。働き方が多様化する中で、「昇進すること=キャリアの成功」という従来の価値観が薄れていることも影響しています。

④ ワークライフバランスへの懸念

「管理職になるとプライベートの時間がなくなるのではないか」という懸念も根強くあります。特に、ワークライフバランスを重視する若手世代にとって、仕事一辺倒の働き方は魅力的に映りにくいのです。

こうした理由から、「管理職にはなりたくない」という意識が若者の間で広がっているのが現状です。

2.キャリアデザインという発想の重要性

現代の働き方は、かつてのような「終身雇用で、定年まで勤め上げる」時代から大きく変わりました。個人が自分のキャリアを主体的に考え、設計する「キャリアデザイン」の重要性が高まっています。

キャリアデザインとは?

キャリアデザインとは、個人が自分の仕事人生を中長期的に計画し、目標を設定しながら、その目標に向かって必要なスキルや経験を積み上げていくプロセスです。近年では、終身雇用の崩壊や副業の普及により、キャリアデザインの重要性がますます高まっています。具体的には次の3つのステップで構成されます。

  1. 自己理解:自分の価値観や強み、仕事に求めるものを理解する。
  2. 環境理解:業界や企業、社会の動きを把握し、自身のキャリアに影響を与える要因を理解する。
  3. 将来設計:自身が目指す未来像を描き、その実現に必要なスキルや経験を計画する。

このキャリアデザインを考える際に、「管理職を経験する」という選択肢は、将来の可能性を広げる重要な要素となります。

3.管理職を「成長の機会」として捉え直す

管理職と聞くと、「責任が重い」「大変そう」というネガティブなイメージが先行しがちです。しかし、キャリアデザインの観点から見ると、管理職には次のような「成長の機会」が詰まっています。

① 問題解決力・意思決定力の向上

管理職になると、チーム全体の課題に向き合い、解決策を考え、意思決定を行う機会が増えます。この経験を通して、ビジネスの現場で必要不可欠な「問題解決力」と「意思決定力」が磨かれます。

② 対人スキルの向上

部下育成やチームマネジメントを通じて、相手の立場に立って考えたり、効果的なフィードバックを与えたりするスキルが養われます。こうしたスキルは、管理職を卒業した後も、あらゆるビジネスシーンで役立ちます。

③ 組織への影響力の拡大

管理職として、組織の目標を共有し、チームを牽引する立場になることで、自分一人の努力だけでは成し得なかった大きな成果を出すことが可能になります。組織全体に影響を与えるという経験は、自己効力感を高め、成長実感を得る大きな要因となります。実際に、新入社員へのアンケートでは、「目標達成への喜びを味わいたいから管理職になりたい」という意見が見られます。

④ キャリアの選択肢が広がる

管理職経験があることは、転職市場においても強力なアピールポイントとなります。リーダーシップを発揮した経験は、異業種や海外でのキャリアにも活かすことができる「汎用的なスキル」となります。

このように、「管理職を経験すること」は、自身のキャリアの可能性を広げるための大きなステップになるのです。

4. 企業ができる「管理職を見直すためのアクション」

若者が管理職を前向きに考えるようになるために、企業は次のような取り組みを検討する必要があります。

① マネジメント体験型研修の実施

「管理職がどのような仕事をしているのか」を疑似体験する機会を提供します。プロジェクト型研修でリーダーを経験させることで、管理職のやりがいや成長機会を肌で感じてもらえます。

② キャリアデザイン研修の導入

キャリアデザインの重要性を理解し、自分の将来について考える機会を設けます。管理職という選択肢がキャリアの幅を広げる可能性について知ることで、管理職に対する見方が変わることが期待されます。

③ 管理職の成功体験の共有

現役の管理職が、自分の経験を共有する場を設けます。管理職になる前の不安や、実際になってからの成長、達成感について生の声を聞くことで、「管理職も悪くないかもしれない」と感じてもらえるきっかけになります。

④ 評価・報酬制度の見直し

管理職になることのインセンティブが不十分な場合、昇進への意欲は高まりません。評価基準や報酬体系を見直し、管理職の魅力を再構築することも重要です。

まとめ:管理職は「制約」ではなく「可能性の拡張」

管理職は、責任やプレッシャーが伴うポジションであることは事実です。しかし、その先には、自己成長・チームの成果創出・ビジネススキルの向上といった多くの学びとやりがいが待っています。管理職というキャリアの選択肢を、未来を切り拓く「成長の機会」として捉えてみる。その視点の転換が、次世代リーダーの育成にとって欠かせないステップとなるでしょう。

HuAdでは、キャリアコンサルタントの資格を持つ専属講師によるキャリアデザイン研修をはじめ、「管理職研修」や「7つの習慣」を活用した研修プログラムなど、オーダーメイドの研修手法と運営で企業の課題解決をお手伝いしています。
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