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海外人材の現状とカルチャーギャップの解決方法を提案します。 お役立ちコラム2024.12.25

海外人材の現状とカルチャーギャップの解決方法を提案します。

日本で働く外国人労働者は年々増加しています。海外人材と一緒に働く上で出てくる課題と、その解決方法を提案します。

この記事でわかること

  • 海外人材の現状
  • 各国の特徴
  • カルチャーギャップの課題を解決する方法

1.海外人材の現状

厚生労働省が毎年公表している「外国人雇用状況」の届出状況によると、2023年10月末時点で日本で働く外国人労働者は約205万人に達し、届出が義務化されて以降、過去最高を更新しています。そして、この人数は全雇用者の約3.4%を占めています。

国籍別では、ベトナムが最も多く 518,364 人(外国人労働者数全体の25.3%)、次いで中国 397,918 人(同19.4%)、フィリピン 226,846 人(同11.1%)の順です
対前年増加率が高い国は、インドネシア が最も多く121,507 人 (前年比 56.0%増)、次いで、ミャンマー  71,188 人 ( 同 49.9%増)、ネパール 145,587 人 ( 同 23.2%増)の順です。

産業別では、「製造業」に従事する外国人労働者が最も多く、全体の 27.0%を占めます。
そして、外国人を雇用する事業所数は、「卸売業、小売業」が最も多く、全体の 18.7%となっています。
(参照)外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)

人口が減少の一途をたどる日本において、海外人材の存在は今後も欠かせないものです。他方で、国籍や宗教、文化といった背景が異なる海外人材と共に働くことで、様々な場面でカルチャーギャップを感じる場面に遭遇します。

今回は、最も人数の多いベトナムと、人数も多く前年からの増加率が高いインドネシアとネパールに焦点を当て、どういったカルチャーギャップがあるのか、それに対しどのように関わっていけば良いかを提案します。

2.それぞれの国の特徴

(1)共通
まず、ベトナム、インドネシア、ネパールの共通するところとして、以下が挙げられます。

①家族第一主義
家族を非常に大切にし、家族が生活の中心となっています。
仕事をするのも家族のためであるという考えがあり、特に日本で働く場合には、自分が日本で働き家族に仕送りをすることで、家族全体が幸せになることを重視しています。

②相互扶助
異なる文化や考えに対して、それぞれの価値観を尊重し合い、寛容な心を持っています。助け合いの精神が強く、困っている人がいれば進んで手助けをします。このことは、仕事にも影響していて、誰かが何かに困っていたら助け合うという精神が強く根付いています。

③勤勉な働きぶり
基本的に真面目で勉強熱心な方が多く、仕事に意欲的に取り組みます。
ただ、後述するように時間を守ることへの意識は薄く、「仕事」と「プライベート」の時間を分けることについても曖昧となっています。そのため、遅刻や仕事中のおしゃべり、勤務時間中に私用で退社することなどは日常よく行われています。

④時間に対する意識
時間に対しては、2つの考え方があります。1つは、時間をは貴重な資源として捉え、時計時間を重視するモノクロニックの考え方です。もう1つは、時計時間をさほど重要視せず、時間や仕事より周囲との関係を大事にするポリクロニックという考え方があります。日本は、モノクロニック寄りの考え方であるのに対し、今回ご紹介している三国はポリクロニックの考え方であり、時間を守ることに関してルーズなところがあります。

次に、各国の特徴を見ていきます。

(2)ベトナム
・給与やお金について、目先のもの・現在の額面を重視する傾向があります。そのため、今後の出世や昇給の見込みといった中長期的な視点ではなく、今の給与で判断し転職することも多いです。サービス残業はしないものの、残業代が出るのであれば積極的に働きます。
・向上心や野心が強いためか、成果主義の個人プレーを好む傾向があり、チームプレーを苦手とする方が多いです。

(3)インドネシア
・転職が多い国であり、現在の職場で我慢して働き続けることで得られるものよりも、転職してキャリアアップする方が得策と考える方が多いです。
・スローペースな性格のため、何事にも焦らない傾向があります。これは仕事において期日を過ぎた場合にも当てはまります。
・ベトナム人とも共通する点として、仕事に関して人前で怒られる文化がなく、そのような場面があると日本人よりも屈辱を受けたと感じる傾向があります。

(4)ネパール
・ネパール国内での労働環境はとても厳しいものであることから、ネパール人は忍耐力があります。また、未だにカースト制度の影響が残っていて、現状を受け入れる傾向が強く、不平不満を口にする方は少ないです。ただ、これは向上心の低さにも繋がっています。
・大雑把な面があり、物の管理や整理整頓が苦手な方が多く、片付けを後回しにする傾向があります。

3.海外人材と働く上で気を付けたいこと

以上のカルチャーギャップがあると、社内でコミュニケーションを取る際に、相互に理解が得られない場面が出てくる可能性があります。その原因が文化の違いから来るものであれば、事前に対応策を考え準備することが可能です。お互いが気持ち良く仕事をし、会社と個人が成長するために、どういったことに気を付ければ良いでしょうか。

(1)お互いの文化の違いを認識
①まずは、相手が日本と異なる文化を持っていることへの認識と理解が必要です。その国の文化は、長年かけて形成されて来たもので、その文化を背景とする人々にとって切っても切れないものです。日本の視点から見ると違和感を覚えるものであっても、まずは相手を尊重し敬意を示すという意味で、相手の文化も尊重する必要があります。
また、「文化の違い」を「人」の問題にしないことも重要です。例えば、インドネシアでは人に体重や年齢を聞く事は普通だそうですが、日本で体重を聞かれたら戸惑います。これを、聞いた「人」の問題にせず、インドネシアの「文化」の話だと知ることが重要です。

②次に、日本の文化の特徴を理解することも重要です。
例えば、日本では直接的な物言いを好まない場面が多く、婉曲的な表現になったり、「空気を読む」といった傾向があります。しかし、これらを他国の人が理解するのは非常に難しいと言えます。そこで、特に業務面では、指示を「明確に」出すなどの工夫が必要です。
また、前述したように、仕事において「人前で注意や指摘をしない」という文化の国は多くあります。仕事をするにあたって注意が必要な場面は出てきますが、2人きりの時に行う、など環境への配慮が必要です。

(2)日本の企業文化・労働慣行への理解 
このように、私たちが文化を理解することは重要ですが、これを前提とした上で、日本で働くに当たっては、外国人労働者の方にも日本の企業文化や労働慣行への理解を求める必要があります。
特に業務をするにあたって最も支障が出やすいのは、「時間管理」に関するものです。
前述のように、アジア圏では時計時間に対する概念が緩い国が多いです。そのため、遅刻や早退が起こりやすく、また、道が混んでいる場合も早めに出るという考えではなく、「混んでいたから遅刻しても仕方がない」という発想になりがちです。これでは、会社内だけではなく、クライアントにも迷惑がかかってしまいます。
こういったことについて、日本と自国の考え方が異なることを丁寧に説明する必要があります。説明だけでは理解納得に至らないこともあるため、グループワークやロールプレイング等の体験を通じて、日本の労働慣行へ理解を深めてもらうことが必要となります。

(3)心理的安全性の確保
日本企業側が海外人材の文化を理解する際も、逆に日本の企業文化を理解してもらう場合も、環境として必要なのが、「心理的安全性」です。
心理的安全性とは、「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態」のことです。この環境があってこそ、お互いの文化や企業慣行に対する理解が進みます。特に外国人労働者が、海外に来て新しい環境に慣れるためにはサポートが必要です。国や文化の異なる者同士が一緒に働く場面では、心理的安全性に一層注意を払いたいものです。

(4)宗教・言語への配慮
インドネシアでは国民の85%がイスラム教徒であり、ネパールでは8割がヒンドゥー教、ベトナムは大部分が大乗仏教かカトリック系キリスト教です。各宗教によって、食してはいけいないものがあったり、断食月があるなど、宗教的習慣があります。日本は「してはいけない」「しなくてはいけない」というmustな宗教的習慣は少なく無自覚になりやすいですが、他の宗教への宗教的習慣への配慮が必要です。

結論

海外人材は今後も増えていきます。様々な背景を持つ人が集まる中で企業が成長していくには、相互理解、特に相手の文化風習等への理解がポイントとなってきます。そして、最近重視されている「心理的安全性」は、誰にとっても働きやすい環境創りのため今後より一層大事になってきます。

最後に

オーダーメイドの研修手法と運営で企業の課題解決をお手伝いするHuAdでは、企業理念の浸透と実践型研修、愛のある人材育成でインクルーシブな社会創りに貢献していきます。海外人材に関する研修も、ベトナム出身のHuAd専任講師によるマナー研修など、各種取り揃えております。お気軽にお問合せフォームよりご連絡ください。

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