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朝礼で話したくなる人材育成1分間コラム「働けることへの感謝」
従業員の7割が障がい者という企業を
ご存知でしょうか。
日本理化学工業という
チョークを作っている会社です。
障がい者採用は60年前にさかのぼります。
60年前、養護学校の先生が
会社を訪ねてきました。
障がいのある2人の女子生徒を
卒業後に社員として雇って欲しいという
お願いでした。
社長は悩みました。
障がい者を雇う余裕などなく、
悩みに悩んで、お断りしました。
ところが、先生は何度も何度も
お願いに来ました。
そして、最後に
「就職することがムリならば、
せめて、あの子たちに働く体験だけでも
させてあげてくれませんか。
そうでないと、この子たちは
働く喜び、働く幸せを知らないまま
施設で死ぬまで暮らすことになります。
彼らは、私たち健常者より
平均的に寿命が短いんです。」
頭を地面にこすりつけるようにして
お願いしました。
社長は先生の熱意に動かされ
1週間だけ、就業体験をさせてあげることにしました。
就業体験の1週間が終わる前日のことです。
10数名の社員が社長のところにやってきて
どうか、あの2人を正社員として迎えて欲しい。
そうやって懇願したのでした。
それは、2人の勤務態度に心を打たれたからでした。
2人は毎日、会社が始まる1時間前には
玄関に来て会社が開くのを待っていました。
10時の休み時間、お昼休み、3時の休み時間にも
手を休めないで黙々とラベル貼りの仕事に
没頭していたのです。
毎日、背中を叩いて
「今日はもう終わりだよ」
と、声をかけるまで、一心不乱に働いていました。
とても幸せそうな顔をして、一生懸命に仕事をしていたのです。
社長はこの2人を採用することにしました。
これが障がい者採用を始めたきっかけだそうです。
きっと2人は、誰にも
社員にしてほしいとは頼まなかったと思います。
自分に与えられたことを本当に真剣にやったことで
周囲の方を動かすことができたのだと思います。
仕事はなんのためにするのか、考えさせられます。
仕事は生活のためには必要ですが、
楽しくなかったら、大切な人生の多くの時間を
無駄にすることになります。
働けることへの感謝があれば、
どんな仕事でも楽しくなるのではないでしょうか。
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